5G、2030年までに世界でGDPを8兆ドル増加予測:日本企業に有利な状況
プレスリリース
- ノキアの最新調査によると、コロナウィルスの大流行で中長期的なデジタル投資と価値創造が加速し、5G関連の産業は、2030年までに世界のGDPを8兆ドル押し上げる可能性がある。
- 5G Business Readiness Reportによると、5Gを導入し「拡張」段階の企業は急速に成長し、コロナ後に生産性が純増(10%増)した唯一のグループである。
- 日本企業は、5Gの導入度、現在の5Gの投資、および一般的な長期5 G戦略に関して、世界平均を上回る
2020年10月11日
東京 – ノキアとノキアベル研究所の最新調査によると、5G関連産業は、2030年までに世界経済に8兆米ドル*の価値をもたらすと予測しました。「5G Business Readiness」レポートでは、世界中の企業における5Gの導入状況が調査**され、さまざまな産業の5G導入への道筋が示されています。同報告書によると、5Gについて、イノベーション、投資、導入状況に対する国別および産業分野別の対応の評価が行われました。コロナウィルスの大流行の影響下において、日本企業と日本経済の成長にとって5Gは重要な推進力であるも評価しています。
5Gは、日本の持続可能な経済成長とデジタル・トランスフォーメーションの主要な推進力となるとみなされており、次の10年間の日本のイノベーションを定義します。2019年8月の政府による5G周波数割当に続き、日本は次世代の無線接続を活用して、日本の企業や公共部門の官庁をデジタルで強化すると期待されています。Society 5.0のロードマップに示されているように、イノベーションに支えられた人間中心の社会を構築するために、日本は先進的な技術の統合を深化させようとしています。
同報告書によると、日本企業の5G導入は8%で、5Gの5段階の導入度のうち、最も進んだ「拡張」段階に位置し、サウジアラビア(13%)、米国(12%)、韓国(10%)に次いで第4位です。日本企業の5G導入の要因の1つとして、企業の85%がテクノロジーのライフサイクルを通して5G導入準備が整ったことがあります。現在、日本企業の18%が5Gに投資しており、世界平均の15%を上回っており、韓国(21%)、米国(20%)に次ぐ水準となっています。日本企業の50%以上が、今後5年間に5Gの投資を計画しています。
同報告書では、5Gの導入企業の業績は他の企業よりも好調で、コロナの課題をより早く、よりうまく対処して成長していることが示されています。世界的に見ると、5Gの導入企業の49%は、5Gの導入計画のない企業や、5Gの計画や調査の段階にある同業他社よりも急速に成長しました。また、5Gの「拡張」段階に分類される企業だけが、コロナの大流行後に生産性が10%増加し、5Gの「導入」段階の企業は3%減少、「計画」段階の企業は15%減少、「調査」段階の企業は40%減少しました。
コロナウィルスの大流行に対応する中、企業はデジタル投資を加速させ、今後3年間で5Gおよび5G対応技術の採用をさらに加速させると予測されます。現在、日本企業のほぼ半数(49%)が、コロナウィルスの大流行の影響でデジタル化を加速しており、41%の企業が、5Gが労働生産性の向上に対して最も望ましい影響を及ぼすと回答しています。
ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社代表執行役員社長であるジョン・ランカスターレノックスは次のように述べています。「5Gは、エコシステム、経済、社会全体を変革する可能性を秘めています。高速接続により、今までにはない通信容量を備えており、大規模なデータ転送により、IoTやAIなどの次世代技術の採用が促進されるでしょう。このことによって、5Gが日本社会の総合的なデジタル化の加速に向けた新たなチャンスを豊富に提供でき、産業をよりスマートに導き、医療や公共サービスの効率性を高めることになるでしょう。重要なのは、日本の人々と企業は、5G実施に向けた取り組みを開始・加速することで、国をSociety 5.0に近づけ、すべての人に恩恵をもたらす新しいデジタル・ファーストの世界を実現することです。
日本市場についてのさらなる洞察:
- テクノロジーに関する意思決定者の53%が、長期的な5G戦略を持っており、企業の半数近く(45%)は、5Gが組織内で十分に理解されていると考えている
- 日本企業の42%は、組織内で5Gを実施するにあたり、Cレベルのスポンサーを有しており、韓国(43%)、サウジアラビア(54%)とともに上位三か国にランクイン
- テクノロジー購入者の93%は、テクノロジー要件に対してコロナの影響を受け、95%は戦略的テクノロジー計画に対して影響を受けている
- 5G優先順位の低さ(27%)とコスト(25%)が5G投資の最大の障壁である
この対話型レポートの詳細は、こちらをご参照ください。
5G採用の障壁[日本の統計]
5Gの利点に対して、企業の認識と現在の導入レベルとの間のギャップは、5Gを導入する上で大きな壁があることを示唆しています。この調査では、5G導入の5つの主な障壁を特定しています。
- エコシステムの利用可能性:意思決定者の22%が、都市中心部以外では主要インフラの利用可能性が限られていると回答しました。
- 教育と理解:回答者の19%は、企業内の意思決定者が5Gについて十分に理解していないことが大きな障壁だと答え、16%が自分自身について十分に理解していないと答えています。
- 認識:テクノロジー購入者の4分の1以上(27%)が、5Gの導入は現在のビジネスの優先事項ではないと述べています。
- コストと複雑さ:回答者の22%は、必要なテクノロジーを導入できる自信がないと回答しています。
- セキュリティ:ほぼ半数(45%)が5Gのセキュリティに不安を感じています。
アクション・プラン[日本の統計]
報告書では、5Gの理解、信頼、そして最終的な採用を向上させるために、変革のための3つの主要な要因を特定しています。すなわち、その3つとは、規制の改善、協業、そしてイノベーションへの意欲です。
- 技術購入者の3分の1は、インフラへの政府の投資やコスト削減のための補助金によって、5Gへの投資を増やすことができると述べています。企業は、ネットワーク事業者からの5Gが供給され、適切な価格が設定されていない限り、5Gを採用しないでしょう。これは、政府や規制当局が、低・中・高帯域の5G周波数帯を手頃な価格で利用できるようにするかどうかにかかっています。
- 企業の5G関連の理解が不足している場合、その企業に対して直接対処する必要があります。企業も消費者も、企業のユースケースからテレヘルス、グリーンテクノロジーに至るまで、5Gのテクノロジーと、5Gによって業務を改善し、現実世界の問題を解決する方法について、より多くの情報を必要としています。
- 企業が5Gをよりよく理解し、それに対応するために大胆に業務を刷新する必要があります。たとえば、モバイルワーカー、フリート、またはサプライチェーンを合理化し、より効果的に監視するために、5Gをどのように使用できるかを検討します。
注記
* 5Gが企業と社会に与える影響は大きく、広範囲に及び、世界のGDPを8兆ドル増加させると予測されます。これは、賃金の伸び、収益性の伸び、政府の歳入の伸びが、テクノロジーへの支出の増加によってどのような影響を受けるかについて、地域ごとに集計した予測に基づいています。
**企業の調査方法
調査はノキアに代わってSapio社が行いました。8つの国と、6つの産業部門の計1,628人の技術購入意思決定者に対して質問を行いました。 国別では、オーストラリア(203人)、フィンランド(200人)、ドイツ(203人)、日本(203人)、サウジアラビア(202人)、韓国(200人)、英国(207件の回答)、米国(210人)です。 部門別では、エネルギー・公共インフラ(208件の回答)、鉱業(119)、製造業(455)、公共部門(271)、医療(445)、運輸(130)でした。従業員250人未満の企業からの回答者は、エネルギー・公共インフラと鉱業部門の会社が含まれています。
5Gの5段階の導入度について、次のように定義されます。
- 静観(Passive):この段階の企業は、正式な意味で、5Gの導入はまだ検討していません。5Gの検討は上層部まで上がっていません。
- 調査(Discovery):この段階の企業は、5Gのメリットを調査しているか、5Gを導入したときのビジネス・ケースの有無を判断するための証拠を集めています。
- 計画(Planning):この段階では、上層部では、5Gの導入、または今後の導入に向けた基盤構築に合意しており、その実現に向けて作業が進行中です。
- 導入(Implementation):5Gのハードウェアとソフトウェアを物理的に実装するプロセスが開始または完了しており、その企業はすでに5Gを使用しているか、今後6か月以内に使用を開始する予定です。
- 拡張(Expansion):この企業は5Gの導入に成功しており、その影響を測定した結果に基づいて、より広範な業務への導入を目指しています。
ノキアについて
ノキアは、世界をつなぐ技術を創造します。世界中で利用可能なネットワーク装置、ソフトウェア、サービス、ライセンス、これらすべてを提供できるのはノキアだけです。受賞歴のあるノキアベル研究所によるイノベーションへの取り組みにより、ノキアは5Gネットワークの開発と導入をリードしています。
ノキアの通信サービスプロバイダの顧客は、当社の無線ネットワークで61億以上の加入者にサービスを提供しており、ノキアの企業顧客は世界中で1,300以上の産業用ネットワークを展開しています。最も厳しい倫理基準を堅持し、人々の生活、仕事、コミュニケーションの方法を変革します。最新情報については、www.nokia.comでご覧いただくか、Twitterで@nokiaをフォローしてください。
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